来るべきアレフバー の世界

ペルシア文学の余白=世界文学の中心

長倉洋海写真展「その先の世界へ」

前回の記事は、タイトルも内容も地味だったのでせいぜい1〜2ブクマかなと思っていましたが、初のホッテントリとなってしまいました。

普段の記事は自分だけが「おもしれ〜」と思いながら夜中に一人でニヤニヤしながらシコシコ書いて、結局自己満足でウケない訳ですが(笑)、結局、こういう記事がブクマされるんですね。勉強になりました。

無論、ブクマする目的は人それぞれで、好評価というよりは何かを言いたい人のほうが多いことでしょうから、浮かれることなく今後も粛々と自己満足路線を続けたいと思います。今更ですが、このブログはイラン文化やペルシア文学について少しでも知ってもらうためにやっています。

さて、6月28日(日)は武蔵野市立吉祥寺美術館の長倉洋海写真展「その先の世界へ」が最終日だったので行ってきました。

我が家には長倉ファンが多いのですが、当ブログ的には、長倉さんといえばアフガニスタン、そしてマスード将軍。  

マスードの戦い (河出文庫)

マスードの戦い (河出文庫)

 

 9・11テロの直前に自爆テロで殺害された、北部同盟の軍司令官です。

どうでもいいことですが、『ランボー3 怒りのアフガン』(1988年)にも、マスードをモデルにしたであろう人物が登場します。米国がアフガニスタンからソ連を追い出すために彼らを含むムジャーヒディーンの力を重視していたことが分かります。ソ連が撤退した結果、ターリバーン(タリバン)が台頭することになるわけですが。

マスードの戦い』という本は、もう随分書店でも見かけなくなっていますが、別の本が出ています。

会場でも売られていました。 

マスード: 伝説のアフガン司令官の素顔

マスード: 伝説のアフガン司令官の素顔

 

 

写真展の展示作品は、基本的に『その先の世界へ』に収録されている写真で構成されていたかと思います。 

その先の世界へ

その先の世界へ

 

 本を持っている人には新鮮味はないと思いますが、入場料100円(小学生以下と65歳以上、障がい者は無料)で、大きな版で改めて長倉さんの写真を観て、じっくり観て、いろいろ考える。缶コーヒー以下の値段で、そこに入っている大量の白砂糖よりよりずっと良い栄養を脳味噌に与えることができます。

長倉さんの写真は、内戦などで過酷な生活を強いられている人々の、目を背けたくなるような死体とかの写真でなく、懸命にたくましく生きる姿、それも、「あ、この人たち別に大丈夫なんじゃん」と安心させたり苦しみから目をそらせたりするような意図ではなく、応援したくなるような、といっても上から目線でなく、共感に満ちたものが多い。子どもにも安心して見せられるものが多いです(今日は息子と行きました)。

そういう写真が撮れるのは、現地の人間とよくコミュニケーションをとれているからだろうな、と勝手に想像しています。

 

因みに売店で販売していた長倉さんの著作は全部直筆サイン入りでした。

 

 

せっかく来たので、館内の萩原秀夫記念室、浜口陽三記念室(南佳子作品を含む)の展示も観てきました。恥ずかしながら今まで知らなかった銅版画の製作方法の解説があって、非常に勉強になりました。すごく骨の折れる仕事ですね。これからはそういう目で版画を見ることにしますです、ハイ。。。

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