来るべきアレフバー の世界

ペルシア文学の余白=世界文学の中心

黄金のアフガニスタン〜バーミヤン大仏天井壁画

先日、自分の誕生日であるのをいいことに、一人で好き勝手に美術鑑賞をしてきました(笑)西アジア〜中央ユーラシア担当業務の一環として、資料収集と調査に行って来ました(咳)。チケットをくれたK先生に感謝です。

 

www.gold-afghan.jp

 

東博で開催中(19日まで!!)の「黄金のアフガニスタン」展は、忙しくて行けないかな〜、図録を見たからいいか、と半ば諦めていましたが、チケットをいただいた以上、これは行かないわけにはいかない。

 

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次回の古代ギリシャ展ももうすぐです。

 

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職場に図録があるので、おおよその内容は見てはいましたが、とにかく金の装飾品がこれでもかといわんばかりに展示されており、やはり生で見る黄金の魅力はヤバイです。イルカにまたがったエロス神とか、ムフロン像とか、そのままアクセサリーとして商品化できそうです。そのまばゆい輝きに、思わず怪盗ルパンになってしまいそうでした。

 

情報だけでも盗もうと、ボールペンでメモ&模写しようとして注意されたのは私です(笑)。メモは鉛筆を使いましょう。

 

マルマン ノートパッド&PUホルダー ニーモシネ A7 方眼罫 HN179UA-05

マルマン ノートパッド&PUホルダー ニーモシネ A7 方眼罫 HN179UA-05

 

 愛用のA7メモパッドとホルダーです。実はホルダーに入れない方が、私には書きやすいのですが、以前にメモをレストランに忘れてしまったことがあるので、存在感を出すために使っています。ホルダーにボールペンをセットできるので便利です。

 

それはさておき。

 

東博の常設展も観たかったのですが、時間が無いので東博を出て、東京芸大で同時開催中のバーミヤン天井壁画展へ。東博からは、三百数十メートルぐらいで近いです。

 

 

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こちらは黄金ではなくて仏像などの流出文化財が中心ですが、目玉はやはり2階の展示室に復元されたバーミヤン大仏の天井壁画です。

 

www.bamiyan-hekiga.com

 

画像がなくて申し訳ないのですが、これは、ターリバーンに破壊された大仏の頭上の壁面に描かれていた壁画を、ニッポンの技術で復元するというプロジェクトで、クラウドファンディングによって実現したそうです。

readyfor.jp

 

で、この画だけ見ても、「へー」で終わってしまいそうなのですが、運良く東京芸大の井上隆史先生の解説の時間に当たりまして、壁画やこの企画に関するディープなお話を(たっぷり50分ぐらい!)拝聴することができました。

 

仏像を見下ろす形で描かれているのは、古代イランの神ミスラ(ミトラ)です。ギリシャ、ペルシア、インドの文明が仲良く共存する図像は、かつて文明の十字路であったアフガニスタンを思わせますが、これからの時代にもそのような共存が実現されて欲しいものです。

 

3D復元した天井壁面に、和紙に描いた壁画を貼って作るのですが、いきなり原寸大の画を描かずに、60パーセントの大きさのものをまず作り、それを元に原寸大の画を作ったらしいのですが、その60パーセントの大きさの壁画が、伊勢志摩サミット会場に展示されました。

 

G7伊勢志摩サミット・サイドイベント「テロと文化財-テロリストによる文化財破壊・不正取引へのカウンターメッセージ」 | 外務省

 

 

ところでこの文化財クローン復元には、1970年代に京都大学の調査隊が記録した写真の数々が不可欠だったそうです。 やっぱり写真は撮っておくべきですね。

 

バーミヤーン―京都大学中央アジア学術調査報告 (第1巻)

バーミヤーン―京都大学中央アジア学術調査報告 (第1巻)

 

 

館内は写真撮影可だったらしく、みんなパシャパシャやっていましたが、私はケータイで上手く撮れそうになかったので、千円の寄付をして図録(報告書)をいただきました。

 

 

芸大を出て東大方面へ。

 

池之端から根津へと、下町らしい風景を求めて歩いてみましたが、この辺りは結構新しくて洒落た建物が多いようです。

 

と、そこへ現れた古風な建物。

 

 

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 串揚げやさんの建物のようです。

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こちらは、ターリバーンではなく政府によって、建物の前面(写真に写っていない側)を削り取られたんだとか。

 

いつかアフガニスタンであの展示品たちに会えるでしょうか。

 

 

 

 

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