来るべきアレフバー の世界

ペルシア文学の余白=世界文学の中心

走ることについて語るときに僕の騙らないこと

しばらくブログから遠ざかっている間に、ランニングを始めました。

 

まあ、どちらかといえばランニングというよりジョギングですが、主な動機はダイエットと健康増進なので、お金も時間もかけないで、ゆっくり走ることをモットーにやってます。で、2ヶ月続いているところなのですが、これが意外とイイのです。

※もうおわかりと思いますが、この記事は多分イランとか中東とは関係ありません。

発端

もともと、お酒は好きなんですが、この1年間は酒量が増えてですね、ほとんど毎日、家で飲んでたわけです。

 

何を飲むかというと、コンビニで売ってる一番安いワインとか、一番安いお米だけのお酒とか、一番安いトリスとか。これを、帰宅してから寝る前の歯磨きの前まで、チビチビ飲むわけです。量は、日本酒なら2リットル、ウイスキーなら700mlが3〜4日でなくなるぐらい。オマル・ハイヤームじゃないですが、それでへべれけになって、その日あった嫌なことや、明日やらないといけない嫌なことを全部忘れて眠るというのが日課(?)でした。

 

その結果、ウエストが膨張してきまして。

 

以前は、ちょっとお腹が出てきたな、と思ったら、晩酌を止めて、ちょっと腹筋したりして誤魔化していたのですが、さすがに一年間、毎晩飲み続けたら、ちょっとやそっとでは引っ込まない。太っている人を否定するつもりは毛頭ありませんし、男性は中年になったら多少恰幅がよいほうが、ビンボー臭く見えないので良いとは思うのですが、幼稚園で『クンフー大百科』を、小学時代は『リングにかけろ』や『北斗の拳』を愛読書としていた私は、自分だけはブルース・リーのような細マッチョであってほしいのであって、自分のお腹が出ているという事実をどうしても受け入れることができないのです。

 

恐らくは連日の深酒と大食いのせいか、内臓脂肪がついてきたのでしょう。腹筋に力を入れると、ちゃんと固くなるのですが、腹筋の内側にも何かが詰まっていて、引っ込まない。

 

そして、春の健康診断では、尿酸値と血中脂肪の数値に異常が出てしまいました。

 

次の健康診断までに、体調を平常に戻したい。そしてあわよくば、20年前の体型に戻したい。

 

何十本目かのトリスの瓶が空になった次の日、ふと思いたって、次のトリスを買うのを止めたのでした。

 

走る人だけが知っている、走ることの快感

ちょっと考えてみると分かることですが、腹筋運動をして筋肉がついたとしても、脂肪が燃焼しなければお腹はへこまないですね。そこで、有酸素運動をしようと思いたったわけです。

 

まず思い浮かぶのが、ジョギング。そこで、ホームセンターに買い物の用事があったので、普段なら自転車で行くところを、短パンとTシャツで走ってみたのが9月の半ばの土曜日。距離にして5.5kmほどでしたが、20年近く運動をしていなかっただけあって、息が上がって途中で何度も歩いてしまいました。

 

でも、久しぶりに汗をかいて、なんだか健康になった気分。調子に乗って次の日も買い物があったので、小雨が降る中、3.5kmほどを小走りで行ってみた。傘を指してゆっくり走ったのがよかったのか、爽快な気分でした。

 

中学生のとき、私はバスケ部でよく走らされていました。そのときのしんどかった記憶からか、走るのは苦しいというイメージが頭にこびりついていましたが、あれは全力で走っていたからですね。脂肪を落とすためには、息が上がらない程度の負荷で、ゆっくり走るのが効率的なようです。禁酒を続けるためにも、走ることは良いかも知れないと思い始めました。

 

次の週末もホームセンターまで走ってみました。長続きさせたくなってきたので、無理せず、しんどかったら歩いてもいい、と自分に言い聞かせて、楽に走ることを心がけました。日曜は野川沿いの道を気が済むまで走っていったら、国分寺公園というナイスな公園があるのを発見。円形広場で走っている人も沢山おり、現在の私のお気に入りのスポットになっています。往復の距離は約14.8kmになっていました。

 

42歳になってやっと分かったのですが、ゆっくり走ると気持ちいいんです。運動部にいたときは、高い負荷で心拍数を上げたり筋力をアップさせたりということしか考えていなかったので、精神的にはストレスが大きかったのですが、ジョギングで最初ゆっくり走り始めると、初めからセカンドウインドのような状態で走ることができ、セロトニンがバンバン出て幸せな気分になる。以前に「ためしてガッテン」で、ハグなどのスキンシップをするとセロトニンが分泌されて多幸感が得られるとか言っていましたが、まるで地球に抱きしめられてる感じ(笑)。好きこのんでジョギングしている人が沢山いる理由がやっと分かりました。

 

走って1ヶ月、お腹引っ込む、しかし膝を痛める

というわけで、半ば中毒的な感じで、早く帰宅できた日は夕食前に3〜40分ほど走る、ということを続けたら、1ヶ月もしない内にお腹はへこんでしまいました。当初の目標は達成されてしまった訳ですが、上記のような幸せホルモンや脳内麻薬のせいで、ジョギングを止めようという気にならない。そればかりか、毎日でも走りたい。

 

ふくらはぎが痛くなったり、すねが痛くなったりするので、金さんの本を読んでフォームにも気を遣うようになりました。 

金哲彦のランニング・メソッド

金哲彦のランニング・メソッド

 

 

しかし1ヶ月経った頃、とうという左膝の外側がとても痛くなり、走って家まで辿り着くのが難しいほどになってしまいました。いわゆるランナー膝というやつです。

 

ランニングで膝を痛める人は多いらしく、それで自転車に転向する人もいるようですが、自転車はちょっと漕げばスーッと進みますから、距離ばかり進んであまり効率のいい運動にならないんですよ。ランニングは自宅の近くで完結できるし、遠出をしても怪我をしたらバスや電車で帰ってくればいい、という利点がある。また、自転車はスピードのおかげでドーパミンが多く出る印象ですが、ランニングは意外と上半身も動かすので、体全体で気持ちよく疲れる感じです。

 

というわけで、めげずにコンプレッションタイツを買いまして。電車の中で『ランニングの科学』も読んで、膝が痛くならない走り方を勉強しましたよ。ペルシア文学研究そっちのけで。 

確実に速くなる ランニングの科学

確実に速くなる ランニングの科学

 

 

 

今はタイツをはいて走っていますが、走ってないときも膝の痛みはほぼゼロです。個人的には、このRunartの動画の説明が一番自分には合っていたようです。

 

www.youtube.com

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走ることについて語るとき、多くの人が語ること

さて、ネット上には、ランニングをするとどんないいことがあるか、書き連ねている記事が沢山あります。あたかもランニングするだけで体の悪いところが全部治ってしまうかのように書いているものもあります。これは日本人の悪い癖ですね。どこの神さまにお参りすれば全部良くなるとか、大國魂神社にお参りすれば全部うまくいくとか(←私ですw)、クロレラとか青汁とか朝の一杯とか、なにか一つのアイテムでオールマイティーな利益を得ようとする。

 

私自身、メタボなお腹が引っ込むとか、汗をかくから肌がキレイになるとか、期待して走り始めたわけですが、そんなに良いことずくめなのかと。個人差があるんじゃないかと私は思う訳です。

 

勿論、始めたばかりのときは一番変化が感じられるので、それを忘れないようにしたいと思いますが・・・というわけで、私自身が感じられた/感じられなかった変化というものを、ここに書いておきます。

 

1.痩せる

これは本当です。それまで運動していなかった人であれば、喋りながら走れる程度の有酸素運動を続けて1〜2週間もすれば、体が締まってきたことが見た目にも感触にも分かります。内蔵脂肪が先に落ちるようで、皮下脂肪が落ちてくるにはもう少し時間がかかりますが、高額な運動器具や意味不明でしんどいダイエット法をやるより、楽に、手っ取り早く脂肪が落とせます。

 

2.肌が良くなる?

私の場合、酒も同時に止めたので、それが原因かも知れませんが、手の甲にひび割れができて痒くていつまでも治らなかったのが突然治りました。汗を大量にかいて、シャワーを浴びた後は、体育の授業でプールに入った後、妙に肌がサラサラするあの感じです。

運動していなくても、夏は歩くだけで汗をかき、嫌な感じですが、走ってかく汗はあまりベタベタしておらず、気分が良いです。

その反面、水分が失われて、指先の皮が固くなったり、便秘気味になったりするので、水をたくさん飲むように気をつけないといけません。今、私は指がひどいささくれになっていますが、これは毎年のことなので何が原因かはよく分かりません。

 

3.仕事が捗る、頭の回転が速くなる?

これもいろんなところに書いてありますが、私の場合はそんなに変化は感じられません。もともと仕事ができるタイプでないので、ダラダラしたり面倒臭くなったりすることが多々ありますが、その点はあまり変わってません。てゆうか昼間も走ることばかり考えてます・・・

 

4.牛乳が飲めるようになった

私はもともと牛乳がそれほど好きではなく、近年は飲むとお腹を壊すようになったので避けていたのですが、走った後に飲む牛乳が美味しいので飲んでみたところ、特になにも起こらなかったので、今は毎日1杯飲んでいます。ただ、これは水分不足で便秘気味になったことが原因かも知れません。

 

5.ドカ食いをしなくなった

これはランニングの直接の効果というよりは、せっかく走ったのに無駄にしたくないという気持ちの働きによるものだと思います。特に痩せ我慢をしているわけでもなく、腹八分目でやめることで、また効率よく痩せられるという妙な悦びを感じるようになりました(笑)。食べることに対する意識も変わってきました。

例えば美味しいものがあると、以前は「いっぱい食べないと損」という思いから、これ以上食べられないという限界まで食べていましたが、美味しいものを「味わう」という観点からは、さっさと飲み込んでしまうよりも、長く口の中に入れておくほうが正しい訳です。美味しいものを、適量いただくのが、精神衛生上も体の健康にもベターではないでしょうか。

あと、テレビで無駄に大食いするタレントを見て嫌悪感を覚えたというのも理由かも知れません。

 

6.晩酌を止めた

外での懇親会や打ち上げでは楽しくお酒を飲むのは止めたくありませんが、家で理由もなく酒を飲むことは止めました。気持ちよく走りたいからというのもありますが、節約も理由の一つです。禁酒と運動はお互いが牽制しあう相乗効果があるので、両方セットで続けるのが良いようです。

 

7.寒がりになった

内臓脂肪のためか、以前は他の人より暑がりだったと思うのですが、部屋でじっとしているときは前より寒く感じるようになりました。もちろん運動すれば暖かいので、今日も半袖で走りましたが、仕事中は上着を着ないと寒いです。

 

8.空腹時にイライラしなくなった

以前は、職場を出るときに腹が減っていると、何か買い食いをして小腹を満たさないと、家に着くまで我慢できない、とか思っていたのですが、今は空腹時こそ効果的にダイエットできるという意識があるので、なんか嬉しい(ビョーキ?)。

 

9.風邪をひかなくなる?

まだ冬を越してないのでこれについてはまだ何とも言えません。もともと、体温を下げないように気をつけているので、風邪をひくのは1年に1回あるかないかですが・・・

 

10.鬱にならない

これもどこかに書いてあったかと思いますが、ホントかどうかは自分には分かりません。ただ、以前は天気が崩れる前に体がピリピリしてイライラしてたのですが、あまり感じないようになりました。まあ、単に夏が終わってしまったからかも知れません。来年の夏はどうなるか・・・

 

11.研究が疎かになった

というようなことは、ありません、と思いたいですが・・・頑張ります。

 

そういえば、昔どこかのアホな外大生が研究していたナーセル・ホスロウとかいう11世紀のイランの学者も、42、3歳ぐらいのときに、酒をやめて改悛したんだよな・・・

 

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

 

 ↑本記事のタイトルの元ネタです。まだ読んでません(笑)

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