来るべきアレフバー の世界

ペルシア文学の余白=世界文学の中心

コーラン写本の展示が始まります

元記事: http://www.ical.ir/index.php?option=com_k2&view=item&id=7802&Itemid=8

そのまた元の記事: http://bookcontemporary.com/BookLineView.aspx?id=30.

 

ミュージアムのお手伝いなんかをしていると、やっぱり展示には写本のほうが映えるよな~、『ハーフェズ詩集』や『医学典範』の写本もあれば良いのに、と思います。

しかし、現在ではイランをはじめ、多くの国は写本の国外持ち出しを禁止していますから(石版本は国によっては可)、たとえ現地に行って購入することができたとしても、日本に持って来ることはできませんし、今は現地でも資料の保存体制が整っていますから、そういうことはするべきではないでしょう。

さて、元記事は、イラン暦1305年(西暦1926年)に、ヨーロッパ人が写本を持ち出そうとしたところをアゼルバイジャン税関で阻止したという、当時の『イラン』紙の記事を紹介しているのですが、なんと、その写本は、400年前(ママ)に作成されたシェイフ・バハーイー直筆の『ナフジュル・バラーガ』だったということで、貴重な写本の流出が阻止された瞬間が目に浮かびます。

因みに『ナフジュル・バラーガ』とはシーア派初代イマーム、アリーの教えや書簡を集めたシーア派の重要なテクストで、シャイフ・バハーイーは16-17世紀のシーア派の高名な学者です。

参考までにリンク:Wikipedia英語版シェイフ・バハーイー」記事、同「ナフジュル・バラーガ

 

と、ここで告知ですが、東洋文庫ミュージアムでは、7月4日から新しい展示が始まります。普段は貴重書庫に入っている14世紀のコーラン写本もお目見えする予定です。お楽しみに。

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