来るべきアレフバー の世界

ペルシア文学の余白=世界文学の中心

国立公文書館 企画展「ようこそ地獄、たのしい地獄」

先日、国立公文書館で開催中の企画展「ようこそ地獄、たのしい地獄」を観に行ってきました。

 

展示会情報:国立公文書館

 

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入り口のアスファルトに描かれたトリックアートです。中途半端に切れてて済みません。

 

お役所がやっている、無料の展示会、ということで特に大きな期待もせず行きましたが、面白い本が沢山あり、結構じっくりと見入って(読み耽って)しまいました。

 

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写真はありませんが、一番ウケたのは、道成寺絵詞のお話。パネルで物語の絵巻が全部みられるようになっています。

 

ネットでよく見られるのは、安珍と清姫の物語なんですが、これの異本にあたるのでしょうか。

www.dojoji.com

 

安珍の話は、清姫が勝手に美しい僧の安珍に惚れ込んで追いかけまわすというストーカー的逸話なんですが、こちらのパネルのほうのお話は、もうちょっと悲哀があります。

 

夢のお告げで深い因縁で結ばれていると言われた幼い女を、修行の妨げになるからと刺して逃げた僧が、都で女と契りを結ぶんですね。この場面の画とセリフは、かなりラブラブなんですが、そのとき胸の傷を見たのか、この女が自分が刺した娘だと知った僧は、因縁から逃れるために逃げていきます。

 

それで、最後は蛇に姿を変えた女に捕まってしまうんですが、個人的には、契りを結んだということは、嫌いなタイプでもないだろうに、因縁を怖れて逃げるとかいう意味が分かりませんでした。逃げるから女性は蛇のお化けになっちゃったんですよね。可哀想に。

 

画を見ながら読む方が絶対面白いので、興味のある方は是非観に行って下さい。

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