来るべきアレフバー の世界

ペルシア文学の余白=世界文学の中心

アブー=バクル・ラーズィーの日

じっくり書く時間がないのですが、日付が変わる前に、少しだけ。

 

今日、イラン暦のシャフリーヴァル月5日は、9〜10世紀に活躍した学者アブー=バクル・ラーズィーの日だそうです。

 

ラテン名ラーゼスとして、西洋にも医学者として名を知られた大学者ですが、彼には反イスラーム的な哲学者としての顔もありました。

 

 

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我が家の家宝の一つ、パルヴィーズ・アズカーイー著『賢者ラーズィー』。唯物論者としてラーズィー像を構築しようとする意欲作で931頁の大著!

 

彼は、一種の原子論を唱えたことでも知られています(井筒俊彦イスラーム思想史』にその点の言及あり)が、形而上学において、制作者、霊魂、質量、時間、空間の五つの実体が、無始の永遠から存在する、つまり初めからあった、と主張したとして、絶対者による無からの創造を唱えるイスマーイール派から攻撃されるわけです。

 

しかし、最もイスマーイール派の癪に障ったのは、ラーズィーが預言者を否定した(とされている)ことではないでしょうか。こういう側面はあまり触れられずに、科学者として称えられている訳ですよね。くわしくはまたの機会(があれば、)ということにしますが・・・中途半端な記事で済みません。

 

イスラーム思想史 (中公文庫BIBLIO)

イスラーム思想史 (中公文庫BIBLIO)

 

 

(9/1誤字訂正)

 

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