来るべきアレフバー の世界

ペルシア文学の余白=世界文学の中心

『名高きアミール・アルサラーン』第9章のあらすじ

おはこんばんちわ。このところ電車内がとても暑いか、あるいはギュウギュウ満員であまり本を読むことができず、読書スピードが落ちています。そのため今回は1章分だけアップします。

 

てゆうか、アルサラーンがイラン的騎士道精神とは異なり、姫の為なら悪いことでもなんでもやっちゃうバカヤローな感じがしてきたのがいけない。

 

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前回までのあらすじ:

ファラングに占領されたルームの亡き王マリク・シャーの血を引くアルサラーンは、ミスル(エジプト)でファラングの使いを殺し、厄介払い同然にミスルを出され、父の国ルームへと向かい、ファラングから王国を取り戻す。しかし教会に飾られたファラングの王女ファッロフ=ラカーの肖像を一目見て恋に落ちたアルサラーンは、単身ファラングに潜入、ファラング人エリヤースとして演芸場で働きながら、王女に出会う機会をうかがう。同じくアルサラーンの肖像に恋したファッロフ=ラカーは、王ペトルス=シャーの命によりファラングの有力な総督の息子アミール・フーシャングとの結婚式を迎える。演芸場に現れた王女は、エリヤースをみてアルサラーンであることを見抜き、互いの愛情を確かめ合う。王女の初夜に夜這いをかけたアルサラーンは、恋敵であるアミール・フーシャングを殺し、教会の十字架を奪い去る。花婿殺しと十字架泥棒の犯人を捜索がはじまる・・・

 

よりくわしくは、 以前の記事をお読み下さい。

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第9章「衛兵隊長エルマース・ハーン」

花婿を殺し、十字架を奪い去った犯人捜しを命ぜられたエルマース・ハーン(前に出てきた同名の登場人物とは別人)が、エリヤースことアルサラーンの働く演芸場に現れ、押し問答を繰り広げる。あくまでもシラを切り通すアルサラーンと、その保護者であるハージャ・カーウースとターウースだが、エルマース・ハーンは3人を捕らえ、彼らが犯人であるとペトルス・シャーに報告する。

しかし、既に演芸場でエリヤースを見知っていた王は、エルマース・ハーンの言葉をなかなか信用しない。そこで、一晩の間3人を拘束し、その間にまた犯罪が起きるか否かによって判断することにする。

朝が来て、街で何も犯罪が起きなかったため、3人は処刑されることになる。しかし、今まさにアルサラーンが処刑されようというとき、騒ぎが起こる。それは、昨晩、会社社長宅に賊が押し入り、社長ほか息子や侍女を殺害し、金を盗んだという知らせにたいする驚きの声だった。

王はこれによりアルサラーンたちの無罪を認め、3人を釈放する。アルサラーンは、今後エルマース・ハーンがアルサラーンたちに疑いをかけないよう王に令状を書かせる。エルマース・ハーンは一旦死刑を宣告されるが、新たに犯人捜しを行うことになり、街の人間が夜出歩くことを禁じるよう王に令状を書かせる。

 (地味につづく)

 

 

 

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