来るべきアレフバー の世界

ペルシア文学の余白=世界文学の中心

目録作業におけるコラボレーション(ミシガン大学イスラーム写本資料)

http://www.lib.umich.edu/islamic/

ミシガン大学図書館「目録作業におけるコラボレーション:ミシガン大学イスラーム写本資料」プロジェクトのページ)

隠れた特殊コレクションおよびアーカイヴスの目録助成金の交付を受けたこのプロジェクトでは、同図書館が所蔵するイスラーム関係写本のデジタル目録化作業が進められています。

写本コレクションは、8世紀から20世紀までに作成されたアラビア語・ペルシア語・トルコ語写本およそ1100点からなり、写本のデジタル画像はHathiTrust Digital Library上で自由に閲覧することができます。

面白いのは、専門的な研究者を目録作業に巻き込んで書誌レコードの完成度を高めるため、ウェブ上の書誌レコードにコメントが記入できるようになっている点です。(例によってMacGoogleChromeではコメント欄が開きませんでした。)

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利用者がデータを批評したりコメントを付したりすることは、既にAmazonなどのレビューやブログ、Wikiでは常識化していますが、次世代OPACやデジタル化された写本を提供する電子図書館においても今後の主流となっていくでしょう。

ちょっと惜しいのは、コメント機能のついた同プロジェクトのページ上では写本の画像が2ページしか観られず、HathiTrust Digital Libraryの全頁画像では、コメントができない点です。

全ての頁について、「ここは後代の加筆じゃないか」とか、「この綴りはこの時代にはあり得ない」とか、「誰某の指紋が付いている」とか、色んな方面からのコメントがシェアされるようになると、従来は一人や少人数の突出した研究者でコツコツ行ってきた写本の校訂といった作業の形も変わっていくんじゃないでしょうか。

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