来るべきアレフバー の世界

ペルシア文学の余白=世界文学の中心

シャーフルフの印章のある写本数点に関する補足

興味深い記事があったので紹介します。

چند نسخه ديگر با مهر كتابخانه شاهرخ تيمورى‏/ سيد محمدحسين حكيم.

セイイェド・モハンマド・ホセイン・ハキーム「シャーフルフの印章のある写本数点に関する補足」

 

[要約]

ラスール・ジャアファリヤーン(イラン・イスラーム評議会図書館館長)が『バハーレスターン通信Name-ye Baharestan』17号で紹介している、ティームール朝のシャーフルフ(シャー・ルフ)の蔵書印を持つ幾つかの写本についての紹介に関して、同じ印章の残された更に幾つかの写本の補足。

  • ファフルッディーン・ラーズィーFakhr al-Din Razi著『al-Maḥṣūl』。ゴムのマルアシー図書館所蔵の所蔵写本 no. 14489。ヒジュラ暦727年筆写。冒頭と末尾にシャーフルフの円形の印がある。図書館が夏休みのため、現物確認できず(!?)
  • アブー・アル=フィダー・イスマーイール・ハムウィー著『人類の伝承の歴史抄訳al-Mukhtaṣar fī tārīkh akhbār al-bashar』。マレク図書館所蔵写本no. 3947。標題ページから、著者の生前に作成された写本であることが判る。シャーフルフの印章は標題紙、p.134(消去したが残っているもの)、そしてp. 252と364の計4箇所に押されている。マレク図書館の目録第1巻p.655には、『シャーフルフの書庫Khazānat al-kutub Shāhrukh』の形で印影が掲載されているが、写本を見たところ、正確な記述ではない。

 

538ページ以降は別の筆によるものだが、この部分もヒジュラ暦8世紀のもの。

 

  • ハーフィズ・アブルー『歴史の真髄Zubdat al-tavārīkh』。アヤソフヤ図書館写本no. 3353.ヒジュラ暦9世紀作成。シャーフルフ所蔵のもので、彼の印が押されている。後にこの本はオスマン朝のスルタン・マフムトの書庫に移り、マフムトも蔵書印を押している。
  • アッタール全集。ヘルムート・リッターはトルコの諸図書館におけるアッタール写本の論文の中で、シャーフルフに献上された写本に言及している。この写本は現在ヌルオスマニエ図書館にある写本no. 3786、イスラム・トルコ美術館no. 456として保管されている。

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