来るべきアレフバー の世界

ペルシア文学の余白=世界文学の中心

حقوق

アラビア語 حقوق (ḥuqūq)は حق (ḥaqq)の不規則複数形。ペルシア語では hoghūghと発音する。

そもそも、単数形 حق には、権利、正しさ・真実、転じて神という意味がある。正しいことの集合=法ということだが、主に法の概念を指し、具体的な法律には قانون などの語を用いる。

「権利」という意味では単数形 حقを多く用い、複数形 حقوق は給料の意味でよく用いられる。

例:「人権」  حقوق بشر (ḥoqūq-e bashar)

国際法」  حقوق بین‌الملل (hoqūq-e beinolmelal)

「お前にその権利はない」  حق نداری (ḥaqq nadārī)

「法律家」  حقوق دان (hoqūqdān)

「給料いくらもらってるの?」حقوق چند میگیری؟ (ḥoqūq chand mīgīrī?)

権利と法、正しさ。この三つの概念の連関は、日本人にはピンと来ないかも知れないが、ヨーロッパ言語では珍しいことではない(right、droitなど)。

これに対応する純(?)ペルシア語の語彙には、راست (rāst: 正しい、右)、درست (dorost: 正しい)があるが、少なくとも現代ペルシア語では、これらには権利という意味はない。

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