来るべきアレフバーの世界

ペルシア文学・イラン文化研究と図書館の話

『ペルシア文学百科』、資金難で刊行中止か

元記事のURL:http://www.ical.ir/index.php?option=com_k2&view=item&id=7757&Itemid=8.

 

悲しくなるような記事ですが、あと5巻も出る予定だったというのが実は驚きでした。

記事によれば、1993年に文化イスラーム指導省の依頼で、ハサン・アヌーシェによる編纂が始まり、96年に第1巻が同省によって出版された『ペルシア文学百科Daneshname-ye Adab-e Farsi』ですが、このたび同省が資金援助を打ち切り、500部を買い取るのみにしたことで、執筆者への謝金が払えなくなることから、刊行の継続は難しいようです。

これまでに、「中央アジア」(におけるペルシア文学、以下同様)、「インド亜大陸」、「カフカーズ(コーカサス)」、「アフガニスタン」、「アナトリア」、「バルカン」、「アラブ世界」と、「文学用語」、「主題・テーマ」の9巻が出ています。

随分前に、外語大図書館でナワル・キショールのペルシア語本を整理していた時、普通の事典には載っていないような著者が多く、この事典の「インド亜大陸」の巻が非常に役に立ったのを思い出します。他の巻でも、Encyclopedia of Islamには載っていないような、ローカルな著者に関する記事が収録されていますので、ミドルイースト・ライブラリアン必携の事典と言えます。

今後、刊行が予定されていた巻では、恐らく欧米や日本におけるペルシア文学も扱われたことでしょう。何とかして刊行が継続されることを願います。

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